2006.08.10

第5回 リース会計見直しの影響

公認会計士 斎藤 和宣

企業会計基準委員会から7月5日に公表された試案「リース取引に関する会計基準(案)」が大きな反響を生んでいるばかりでなく、さまざまな企業活動への影響も見られているようです。今回の見直し内容は、所有権移転外ファイナンス・リース取引について従来認められてきた賃貸借取引に準じた会計処理を廃止し、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理するよう改めるものです。

これまで、借手の立場から見た場合にリース取引には一般的には以下のメリットがあげられていました。

1)多額の資金調達と投資支出を避けられる(資金面)
2)一定の条件を満たせば貸借対照表に計上しなくてすむため貸借対照表がスリムになる(会計・財務指標面)
3)支払うリース料を損金とすることができる(税務面)
しかし、今回の会計基準の見直しでは「2)」の貸借対照表を圧縮できるメリットがなくなろうとしています。また、会計基準の見直しに合わせて、リース取引に関する税制の見直しも行われる見込みで、売買処理した上で減価償却を行って損金算入する案があり、ますますリース取引のメリットが小さくなってきています。リースを利用してきた企業にとってのリース取引の魅力が小さくなってしまうことは、リース業界にとっては非常に大きな打撃であることから業界からの反発は激しいようです。

今回のリース会計の見直しは影響が大きいため、公表にあたっても関係者との調整が必要で、解決が容易ではないことを想定し、適用時期が明示されない形となっていますが、国際的な会計基準の融合の視点からも時間を要しても今回の方針で確定するだろうと考えています。

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