2008.08.08

第55回 棚卸資産(在庫)

公認会計士 斎藤 和宣

最近、在庫(棚卸資産)に関する話題をいくつか目にしたことから、今回は棚卸資産についていくつか考察してみたいと思います。先日の日経新聞に石油元売り大手の2008年04-06月期の四半期決算に関する記事があり、コスモ石油、新日石など各企業が在庫評価益(比較的単価の低い期首在庫の払出しによる増益効果)による大幅な増益要因があったことが掲載されていました。

また、企業会計基準委員会ではコンバージェンスの1つとして棚卸資産の評価について見直しを行っており、すでに今期から適用開始されているいわゆる低価法の適用による棚卸資産の評価に加え、数ヶ月前に公開草案が公表されコメントの募集を行った後入先出法の取り扱いも論点となっています。その内容は棚卸資産の評価方法として認められる方法から後入先出法(後から仕入れたものから払出をしたと仮定して期末在庫を評価する方法で、実際のモノの流れとは一般的に異なりますが、在庫を保有していることによる損益をP/Lに出さない効果があります)を削除し、個別法、先入先出法、平均原価法、売価還元法から選択して継続適用するというものです。

棚卸資産は、経済活動を行う事業体が将来販売する目的で保有している商品や原材料、仕掛品、製品などの資産で、営業活動サイクルにおける一要素です。また、財務分析の視点からは投下資本として運転資本の一部を構成する資産であり、回転日数として計測されたりするなどその重要性は高く、評価にあたって決算期末には実地棚卸を行うことで資産の実在性や販売可能性の確認も行われます。

また、棚卸資産に関しては「生産管理」「在庫管理」といった管理手法があったり、サプライチェーンマネジメントやジャストインタイム(かんばん方式)として議論されるなど経営管理上も非常にテーマの多い「勘定科目」で、貸借対照表に表された棚卸資産(在庫)は、企業における購買活動、生産活動、あるいは販売活動といった各種活動や市況による価値変動が複合的に反映されており、在庫増減の背景を読み解くことは非常に難しい作業となっています。

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