2008.09.19

第58回 国の会計~予実管理~

公認会計士 斎藤 和宣

9月に入って福田首相辞任という大きなニュースがあり、総裁選の行方や衆議院の解散、総選挙の話題がリーマン・ブラザーズの破綻と並んで紙面を賑わしています。8月29日には「安心実現のための緊急総合対策」という総合経済対策を発表したばかりの状況を考えると今回の辞任は唐突感が否めません。この経済対策では「生活者の不安の解消」「持続可能社会への変革加速」「新価格体系への移行と成長力強化」の3つを目標として具体的施策が盛り込まれていますが、発表した内閣がなくなる中でこの先の実現に向けてどうなってしまうのか不安が残ります。

ところで、国の活動には資金を投じ人も動かしていく以上お金もかかりますので、年度ごとの予算が編成され決算も行われます。国の会計は、一般会計とその目的が限定された特別会計からなっており、その測定方法には現金主義的な思考がまだまだ残っています。そして年度予算の編成時期になるとその政策と割当規模について世間の注目が集まり、さまざまな報道が行われます。ところが状況によって予定が変わることは多いはずですが、民間企業であれば当然に行っている決算がどうなったかという点での予算との差異の報告は限定的にしか行われていませんし、積極的に開示もされていないようです。さらに、年度中における予算と実績の差異、あるいは見通しとの比較はあまり注目されていませんし、実際どの程度行われているかはよくわからない状況です。

また、最近では連結財務諸表が作成・公表されていますが(省庁別連結財務書類など)国の活動は企業と異なり財務諸表だけでは評価しきれないものですから、そもそもの予算策定時等に期待された効果と、施策を実施した結果どのような成果が得られたのかの分析が必要と思われますが、適時・適切に分析がされていないのが現状と思われます(いくつか公表している省庁等はあるようですが)。加えて決算も年度が終わってから数ヶ月も経ってしまってから公表されていることが多く、適時性が不十分と思われます。

したがって、これからは予算と実績(見通し)の分析や、各政策効果の見込みと実績との比較分析を適切適時に行い、税金を納めている国民に説明を行うことが必要だろうと考えています。

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