2008.10.17

第60回 食の安全と企業

公認会計士 斎藤 和宣

今年始めに中国製の冷凍餃子から有機リン系殺虫剤の「メタミドホス」が検出されるというインパクトのある事件がありましたが、その他の食品でも使用禁止農薬が含まれていることが確認されたり、消費期限切れの素材を加工食品に利用していたり、消費期限を改ざんして販売していたケースなど、食の安全を脅かす事件・事故が報じられてきました。最近でも事故米の問題が霞ヶ関を巻き込んだ問題となっているように、人々の食の安全に対する意識が非常に高まった1年だったと思います。今年特に記憶に残ることとなった食の安全に対する強い思いは、人々が日々の活動をしていくためのエネルギーとなり、また血となり肉となって生命を支えていく「食」について、自分自身が注意を払って生活をすることの必要性を感じさせるものでした。

上述のように、我々にとって大切な「食」は、企業に置き換えてみるとどのようにとらえることができるでしょうか。私自身は、企業においてはそこで働く「人」であったり、売上による収入や仕入の支払い、あるいは資金の調達といった循環する「お金」が当てはまるのではないかと思っています。したがって、健康であるために企業が意識しなければならないのは、いろいろな意味で健康な人財を採用・育成して企業の健康体を維持するとともに、企業としての活動基盤を構築することが重要であるということかと思います。また、健康なお客様に財やサービスを提供して対価としてのお金をいただいたり、あるいは健康な取引先から財やサービスを購入することで健康な生産活動の循環を維持するほか、健康な投資家などの資金提供者からお金を調達して投資活動を行うなど、健康なお金を企業と社会とで循環させることが健康な企業を構築するうえで肝要なのだろうと思います。

そのためには、各社員の心がけに期待するだけでなく経営者からのメッセージとして企業全体に伝え、健康を維持できる仕組みをつくることが不可欠なのだろうと考えています。もしこのことが実現できていれば、サブプライムローン問題をきっかけとする現在の金融危機も、実は未然に防ぐことができたのかもしれないと思っています。

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