2009.03.31

第71回 決算期末を控えて

公認会計士 斎藤 和宣

日本では3月決算企業が多く、経済環境に大きな変動があった平成20年度の決算期末を、いま迎えようとしています。たとえば、保有する有価証券の評価に直結する期末日の株価の行方や、ここ半年で急速に円高が進んだ為替相場など、決算期末特有の話題も取り上げられています。ところで、企業が決算を行う会計期間(決算期)にはどのような意味があるのか、少し考察してみたいと思います。

そもそも企業活動は、将来にわたって、あくまでも継続的に運営されることを前提にしており、企業の実態を掴みそして評価するにあたっては、連続する経済活動を1年間で切り取って特別な意味をもたせることは本質ではないと考えています。とはいえ、いくつかの視点からは便宜的に期間を区切る必要があるのだと思います。たとえば、株主への配当の計算のために業績を測定する期間設定が必要であったり、課税上の目的から計算期間を設定する必要があったりと、それぞれの計算目的のために、区切られた会計期間を利用しています。

別の視点からは、人にまつわる話も会計期間(決算期)という1年のサイクルと密接な関係にあると考えています。日本では学校卒業者の多くが4月に一斉に入社しますし、人事異動や役員選任なども、1年を基準とするサイクルの中で遂行されており、自然な形で定着していると思われます。ただし、本質的には企業は連続する時間の流れの中で、過去から現在、そして未来へと、連続性を持った活動をしていくことになるのであり、会計期間(決算期)の概念に縛られてはならないと思います。

国の活動サイクルについていえば、平成21年度予算も成立し、まもなく新年度が始まりますし、多くの企業でも新しい会計年度を迎えることになります。今年も、それぞれの企業で新卒者を迎え入れることと思います。企業活動の連続性と会計期間との関連を認識して、1年というサイクルの中での活動をするにあたって、いたずらに会計期間に縛られることなく行動することを、心がける必要があると思います。

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