2009.06.16

第76回 (B) まだまだ決算早期化は “旬” です!【ケース・スタディー】

教育サービス部 部長 佐藤 直樹

1.『決算早期化』 これからが本当の “旬” です

昨年から、四半期報告制度/内部統制報告制度が始まりました。
さらに、IFRSとのコンバージェンス/アドプションが相次いで予定されているため、今後も経理部門への作業負担は増し、また決算業務のさらなるスピードアップの要請も強まるばかりです。

これらの課題を乗り越えるためには、決算業務の効率化を考えざるを得ず、弊社が昨年決算担当者を対象に実施したアンケートでも、”決算早期化” を最優先課題として挙げるケースが最も多かったという状況です。

この “決算早期化” は、ここ何年にも渡り関心の高いテーマであるため、ほとんどの企業で、そのための会計システムの導入/更新が行われたものと思われます。

しかしながら、現実としてはシステムを導入/更新しても、業務負担はそれほど変わらず、依然として残業/休日出勤といった人海戦術によって、決算を乗り切っているケースも多いのではないでしょうか?

また、システムを導入/更新したにも関わらず、期待していたほどの早期化が実現できず、「では、何をすればよいのか?」と疑問に思われている方も多くおられるでしょう。

2.システム化は決算早期化の処方箋ではないのでしょうか?

当初の目論見では、新システムにより効率化されるはずであったのに、なぜそれほどの効果を生まなかったのでしょうか?

理由はシステム導入だけでは、作業は劇的には効率化されないからです。
それを活かすための、”知恵”、”仕組み” と言ったものが必要なのです。

連結決算作業は、単体決算/各社からのデータ収集/合算/自動仕訳作成およびレポーティングに作業工程を分類できますが、単にシステムを導入するだけでは、従来からのExcelでの処理と比較して、全体的な負担は実はそれほど変わりません。

特にレポーティングに関しては、システムが自動で処理してくれる分、内部仕様がわからず、「逆に、検証作業の時間がかかってしまう」という事態にも陥りかねません。

3.システム導入とともに、それを活かすための “仕組み” 作りが必要です

システム化の一番大きなメリットは、『様々な情報がデータベースという定まった場所に一元的に保管されていること』です。
ですから、システム化をすることで一番効率化される業務は、その情報を自由に活用できるレポーティングであるはずです。

しかしながら、その情報を活かす “仕組み” を作らなければ、効率化は進まず、システム導入前と何ら業務負担は変わりません。

では、レポーティングという部分に焦点を絞ってその “仕組み” をどうやって整えるかを考えてみますと、以下の通りとなります。

(1) 必要な資料の洗い出し/フォーマットの定義
システムには必ず定型帳票が用意されていますが、通常は、それだけでは決算作業には不十分です。
そのため、事前に業務の棚卸を行い、データチェック/監査用提出資料/社内用報告資料/外部開示用資料を含め決算作業の各段階で作成すべきレポートを明確にします。
また、各レポートは検証可能なようにフォーマットを定め、かつレポート間で情報がリンクできるように設計します。

(2) 各種レポートの作成/データ更新およびチェックの自動化
棚卸した後、システムで用意されているレポーティングツールを使い、決算処理が終わったら各レポート上の数値も自動的に更新されるような形式で事前にレポートを作成しておきます。
また、データチェック/監査用提出資料などでは、不正な項目や異常値がすぐに目に付くようにチェック一覧表なども合わせて作成します。
(これらのチェック一覧表も、数値同様に、自動的に更新されるような仕組みにします。)

(3) 検索時間の短縮
作成したレポートは、関係者がいつでも参照できるような場所 (サーバ上など)に保存しておき、保存の形式は、誰が見ても探しやすいようなフォルダ構成/ファイル名にします。

4.まとめ

言われてみれば、当たり前のように思われる簡単なことでも、上記のような “仕組み” を構築している会社はそれほど多くないと思われます。

私自身も、連結会計システムに既に10年近く携わっていますが、つい最近まで、この “仕組み化” に気づかず、恥ずかしながら、弊社の先進的なお客様から今回ご紹介したようなアイデアを教えていただきました。

このお客様の言葉を借りると・・・
「言われれば簡単ですが、こういう事を知らない人は多いですよ。でも、知っていると知らないでは大違いです」

「まさに、その通り!」と私も目から鱗でした。

現在、私は弊社の中で、各種講座を提供する立場にあります。
今までは、会計知識/製品知識をご紹介するだけにとどまっていましたが、今後はこのような様々なアイデアを広く提供していきたいと考えています。

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