2009.07.01

第77回 (A) 金融庁のIFRSに関する中間報告のインパクトとは?【経営・会計最前線】

取締役 財務・経理担当 野城 剛

2009年6月16日金融庁は「我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)」(金融庁報告ページはこちら)を発表しました。
事前に公開された中間報告(案)と方針は大きく変わらないものの、修正点のいくつかについてピックアップしてみました。

(1)任意適用の推進
金融庁発表の「中間報告のポイント」のとおり、第一のポイントとして「2010年3月期(年度)から、国際的な財務・事業活動を行っている上場企業の連結財務諸表に、任意適用を認めることが適当。」と報告されました。

「2010年3月期」という時期がより明確に打ち出されました。経済のグローバル化、米国におけるIFRSへの歩み寄り、IFRS作成への積極的関与のため、考慮要素は種々あるかと思います。としても、任意適用なら早いほうが良いという判断であり、日本において現行IFRSの内容を適切な会計基準として肯定的に受けいれている現状を感じました。ちなみに、任意適用において適用するIFRSは、現行オリジナルIFRSをそのまま適用するという考え方を打ち出しており、いわゆるカーブアウト(一部を適用除外)をしないことも、特徴となっています。

適用対象企業については、「国際的な財務・事業活動を行っている上場企業の連結財務諸表」を第一に優先とするスタンスとなりました。以前の「市場において十分周知されている一定規模以上の上場企業」への適用は若干トーンダウンしたように感じます。企業の資金調達面からのIFRSの必要性と、財務諸表利用者の比較可能性に配慮した判断だと思います。

(2)強制適用の方針
第二のポイントは「強制適用の判断時期は、2012年を目途(2012年に判断の場合、2015年又は2016年に適用開始。)」です。

判断時期を2012年を目処とすることは中間報告(案)の段階から言及されていました。それによると(案)では、判断から少なくとも3年間の準備期間を確保して強制適用ということで、3年以上だが、その後何年内までという明確な言及はありませんでした。しかし、今回報告では2015年又は2016年と、判断時期から3年から4年であると明示されたこととなります。

なお、中間報告(案)では、IFRSを強制適用するのであれば、比較可能性保持の観点から一斉適用という記載をしていました。報告では3年程度の時間をかけた段階適用も検討の選択枝としています。一斉適用だと上限期限を設定するのに慎重なところ、段階適用に言及したので4年という上限を設定したようにも感じられます。ただし、企画調整部会会議録を読むと、段階適用も記載しておいたほうが良かったというニュアンスの修正もあるようですので、2015年一斉適用という判断もありえると私見では理解しています。

(3)あらためて、弊社のIFRS対応に関して
ディーバではIFRSの動向を見極め、IFRSへのシステム対応をはじめ、IFRSに関するセミナーの開催や季刊誌の発行など、お客様にとってより価値のある情報を提供し、IFRS導入を幅広く支援する取り組みを行っていきます。またIFRS導入に必要な会計・業務全般に関する支援にも積極的に取り組んでいく予定です。これまで多くのSEC登録企業への導入実績などから、会計処理面ではIFRSに近い面のある米国基準などの導入ノウハウを踏まえ、IFRS早期適用の企業に対しての提案活動も開始しています。

今後、IFRSに関する情報発信を本格化していきますので、これからもディーバをよろしくお願いします。

MAIL MAGAZINE

メールマガジン

NEWS

ニュース

SEMINAR / EVENT

セミナー / イベント

セミナー/イベント一覧を見る

お問い合わせ