2009.07.14

第78回 (B) 結システムも避難訓練が必要【IT・情報システム支援】【ケース・スタディー】

カスタマーサービスユニット カスタマーコミュニケーショングループ長 深山 秀一

■はじめに
景況の変化に伴い、人員削減やシステム投資の抑制など、厳しい環境に直面されていることと思います。

そのような状況下でも、経理関係の方は、IFRS・新セグメント情報・J-SOX等についてまた、システム関係の方は、Windows7・仮想化・運用コスト削減等についての最新情報を収集し、将来のあるべき姿を見据え、どのような価値が提供できるかと思案されていることでしょう。

上記のような活動は重要なものではありますが、私の方からはサポートの現場からの視点で、システムが安定的であるがゆえに継続的な業務遂行にあたり忘れがちなポイントについてご紹介いたします。

■避難訓練実施のすすめ
運用中の危機的な障害の1つに、サーバのハードウェア障害等によるシステムダウンがあります。発生しないに越したことはないのですが、通常は発生した時のことを考え事前に対応フローを決定していらっしゃると思います。

弊社の調査においても、システム部門のサポートがあるような体制が整っているお客様の割合は、年々増加している状況(*1)ではあり、中でも、クラスタ化・冗長化などを含め、ダウンタイムを最小にすべく追加で対策を講じていらっしゃるお客様も増えてきておりますが、依然として経理部門中心に運用しているお客様も多い状況です。

そこで、”IFRS対応”・さらなる”早期化”・管理目的での月次決算などの”高頻度化”の流れもあり、ますます重要性が高まってきている連結会計システムの障害発生時の対応を確実にするとともに、経理部門で運用されている方は、実際発生時の負担を少しでも緩和するため、また、システム部門のサポートがある体制においては、担当者間の連携及び状況の再認識のためにも、まずは対応フローを決定し、さらには障害発生時のシミュレーション(避難訓練)を行ってみてはいかがでしょうか。

■対応フローだけでは不十分な事例とは
中には対応フローだけで十分ではないか、うちはもう策定しているので、シミュレーションまで必要ないのでは?と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
確かに近年は内部統制の要請などから障害発生時の対応フローを文書化されているお客様も多く、関連する質問をいただくことも多くなっております。
しかし、そんな中、障害時フローはあったものの、実際にはスムーズに対応できなかったという事例が幾つかございましたのでご紹介いたします。

実際にはそれぞれ以下の状況でした。

・フローが利用システムの新バージョンに対応したフローに更新されていなかったため、対応が不足し、サポートとのやり取りが発生した。
・情報システム部門、またはシステム子会社等の自部門以外の担当者が変わっており、先方への状況説明及び初動まで時間がかかってしまった。
・Oracle関連の障害であったため、Oracle社に問い合わせを行おうと思ったが、保守契約が切れていたため、Oracle社のサポートが受けられなかった。
・通常業務時間外に残業または、休日出勤してシステムを利用していたため、障害発生時に運用担当が不在で対応が遅れてしまった。
・Cold Standby のバックアップ機を用意していたが、導入当初に設定したままでその後一度も起動していなかったため、結局本番機のリカバリを実施した。

■避難訓練のポイント
上記の事例を踏まえると障害発生時のシミュレーションのポイントは以下の4点に集約されると考えます。

・フロー自体が最新のシステム環境に合っているかの確認
・対応をする可能性のある担当者が変更していないかの確認
・担当者が変更している場合は対応内容について理解しているかの確認
・想定している前提や制約に変化がないかの確認

システム運用に従事されている方には当たり前のことかもしれませんが、継続的に安定した業務遂行の根底を揺るがすシステムダウン時の対応については今一度点検頂き、毎決算前など定期的な作業として、決算業務計画に組み込んでみてはいかがでしょうか。

*1
2007年のDIVALIVE(弊社のカスタマーカンファレンス)でのアンケートでは、システムの運用体制について、”主に情報システム部門のみで運用”という回答が1%だったものが、 2008年の同アンケートでは、27%へ増加しています。
また、”両部門で運用”という回答についても、35%から43%と増加しシステム部門の運用への関与率が上がっていますが、依然として”主に経理部門のみで運用”という回答も2008年の同アンケートでは 25%と4分の1を占めております。

MAIL MAGAZINE

メールマガジン

NEWS

ニュース

SEMINAR / EVENT

セミナー / イベント

セミナー/イベント一覧を見る

お問い合わせ