2009.08.19

第80回 (A) 不況時における「原点回帰」とは?【経営・会計最前線】

ビジネスソリューションユニット 第1グループ長 山崎 恒

雇用情勢など依然として厳しい状況が続く中、「主要企業調査において、全体の66%が来年前半までに景気回復を予想」「東京株式市場 日経平均株価が年初来高値を更新」など、大手企業を中心として景気の底打感を広がってきたことを示すニュースや記事が目に付くようになりました。

個人的には、昨年のいわゆる「リーマンショック」に端を発する景気の下落側面において、トヨタ自動車をはじめ多くの企業のトップの方々による「原点回帰」というキーワードを用いた発言が深く印象に残っています。一概には言えないと思いますが、ここでの「原点回帰」とは「自分たちの存在価値と強みをもう一度見つめ直そう」ということであると理解するとともに、「原点=存在価値」と位置付けられる企業の「基本=企業理念(企業哲学)」の重要性を再認識するきっかけにもなりました。

「原点回帰」とは、不況時には良く聞く言葉のようですが、確かに業績の良い局面ではなく、むしろ難局に直面した状況だからこそできることなのかも知れませんし、不確実性の中で難しい意思決定を下す場合の拠り所としては常に「原点」に立ち戻らざるを得ないのかも知れません。また厳しい経済環境という、自社の製品・サービスを改めて見直し、方策を考える絶好の機会においても「原点」に立ち戻ることが非常に重要なのではないかと考えました。

ビジネス書の名作でよく挙げられる「ビジョナリーカンパニー」の例を出すまでもなく、「企業理念をしっかり継承させ、浸透させている企業が強い」ということは良く知られているところであり、当メールマガジンの読者の皆様の属する企業においても、この企業理念の浸透に関し、様々な取り組みがなされていることと思います。

一方、高度に分業・専門化、グローバル化が進展したビジネスの現場においては、日々の活動と企業理念とを結びつけて考えることが難しくなっていたり、企業理念の浸透に苦労されていたりする管理職の方も多いのではないでしょうか。社長は経営理念を唱えているが、上司は目先の数字のことばかり、といった状況もあるかも知れません。本来は経営理念=数字(分業された日常業務における目標や評価の集合)となるべきであり、このことを踏まえ、前述の企業トップのコメントにもつながっているものと理解していますが、実際には目の前のことにとらわれてしまい、つい忘れがちなものだとも言えるかと思います。私自身、現在は新規顧客開拓を担当する立場にありますが、ふと気付くと弊社の「原点」を忘れ、弊社製品である「連結決算パッケージシステム」の「販売」や「売り込み」に陥ってしまい、目先の数字にとらわれてしまっていることに気付くことが多くあります。

このように、とかく数字にとらわれがちな現場で日々の活動を実践していますが、今一度「経営の大衆化※」という原点に立ち戻り、お客様に役立つソリューションをご提案、ご提供できるよう努力していきたいと思います。

皆様も仕事に行き詰まりを感じたり、悩みを抱えたりした際には、改めて、自社の企業理念を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

※経営の大衆化:経営情報を企業価値向上に貢献する人々、特に企業の現場メンバーへ開示することを推進し、経営そのものを広く一般的なものとすることで、個々人の経営能力を向上させ、その集合体としての企業経営品質向上実現を目指します。

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