2009.09.01

第81回 (A) IFRSで思い出す初めての決算担当時代~会計とは知識にあらず~【経営・会計最前線】

財務・総務ユニット 管理統括グループ長 守田 浩之

今ちょうど平成20年6月期の有価証券報告書の原稿確認を行っています。今期は、四半期報告・内部統制と2つの大きな制度変更への対応があったほか、今後も国際会計基準とのコンバージェンスによる基準変更が予定されており、担当者はその対応に忙しい日々が続くと思われますが、既に経理財務部門を中心に全社的に注目されているIFRS適用(アドプション)をきっかけとして、これまでの会計業務、今後の会計業務について簡単にではありますが触れさせていただくことにします。
なお、IFRSについては勉強不足であり、拙い知識と見識しか持合わせないまま、書かせていただくことをご容赦いただくとともに、ご了承願います。

新入社員として、会計課に配属されてから、会計との係りが始まり、はや21年となり、その後予算を担当し、決算担当として財務報告の作成に携わったのは、約15年前にさかのぼります。
その頃、連結や時価情報の開示の強化等が進められており、平成9年に企業会計審議会から「連結財務諸表制度の見直しに関する意見書」が公表され、平成10年以降、連結ベースでの開示が主体となると同時に、キャッシュ・フロー計算書、税効果会計等、会計・開示に関して大幅な制度変更が実施されることとなり、「会計ビッグバン」と表現されたりしたことを覚えています。

社会・経済情勢の変化を背景にディスクロージャーの充実がもとめられたのは、投資活動における国際化、自由競争、自己責任の原則を担保することを目的としていましたが、会計ビッグバンによりバブル崩壊後のディスクロージャーの重要性についての議論が加速し、ステークホルダーやIRに関しての議論も活発になった時期で、商法の改正も頻繁におこなわれました。かつて「ゴールデントライアングル」と呼ばれていた3つの会計(商法・税法・証券取引法)のうち、商法・証券取引法は法律の名称さえも変更される大改正が実施される状況となっており、IFRSがこれら3つの制度に与える影響の今後の動向にも注目されますが、この10年間は会計環境がめまぐるしく変化し、ITの普及もあいまって決算業務そのものが大きく変わったと感じております。

そして、その会計ビッグバンから約10年の今、あと、5~6年のうちに第2の会計ビックバン「IFRS」が始まろうとしています。
最初のビッグバンが(会計の)国際化の始まりだとすれば、IFRSによるビッグバンは、国際化の定着、仕上段階として国際化した企業活動の「ものさし」(会計・開示)の共通化による(大きな会計処理の変更を伴う)ディスクロージャーの充実となると思われます。
10年前の連結ベースでの開示制度は、その説明責任を果たすため、グループの業績管理等、経営、組織編成といった事業活動の実態部分への影響も多く与えながら定着してきたと感じます。
IFRSでは、更に踏込んで経営者の「意志」を反映させた報告(原則主義、新セグメント基準等)で説明責任を果たす必要があり、更なる事業・組織のあり方について検討、変更の実施を迫られる可能性も大きいと思われます。

そもそも、会計が社会・経済の状況の変化に応じて相対的な真実を提供することを目的とするならば、状況に応じて変化する企業活動を、社会・経済の要請を反映したディスクロージャー制度に適時・適切に対応していくことが決算担当部門の主要な役割であるべきでしょう。よって、経営の「意志」を反映させながら決算業務・ディスクロージャー・IRの一連のプロセスを高いスループットを意識して推進する役割を担わなければいけないのではないかと考えています。改めて、会計とは知識ではなく、「ビジネスコミュニケーション」なのではないでしょうか。

今後も変化のめまぐるしい会計及びディスクロージャーへの興味は尽きないところではありますが……決算担当としての重い業務負担も弊社のDivaSystem活用による削減で何とかせねば、というのも本音であることを述べさせていただき、最後としたいと思います。

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