2009.11.11

第86回 (B) スターティンググリッドから見える勝敗の行方【プロジェクトマネジメント】

ビジネスソリューションユニット 中・西日本グループ長 木村 浩之

私、レースやってます。
レースといっても、マラソンでも自転車でもなく、ましてやお馬さんのレースでもありません。
エンジンの付いた四輪の車のレースです。
もちろんプロではなく、アマチュアです。
尤も、F1を頂点とするモータースポーツのピラミッドの一番下に属するカテゴリーなんですが・・・。

ここ3年ほどは諸般の事情により現場からやや足が遠のいていますが、かれこれ20年以上もやっており、現在第一線でプロとして活躍している人と競争したこともあります。
F1ブームによるレース人口の異常な増加や昨今の不況による参加者の激減も見てきました。

昨年から今年にかけHONDAやTOYOTAのF1からの撤退、スバルやスズキのWRCからの撤退や活動休止などが相次いでいます。長年日本のモータースポーツの底辺を支えてきた者としては、非常に歯がゆく思いますが、お金が掛かることを実体験として知っていますので仕方がないのはわかっています。
しかし、せっかく上がりつつあったモータースポーツの世界における日本のポジションが、また元の低い位置に戻ってしまうのかと考えると、大変残念です。

さて、本題です。
実はレースをやっている中でよく言われることがあります。
「レースはスターティンググリッドに並んだときには、すでに勝敗の90%が決まっている。」

この90%とは、決勝レースが始まるまでの準備のことを指しています。
残りの10%は、主に天候やレースの中でのアクシデントなどの運にまつわるものと、ドライバーのテクニックです。プロの世界なら当然ですが、アマチュアの場合でもそれなりにテクニックを持ったものばかりが集まってレースをやるので、テクニックの差がそれほど大きく結果を左右しません。ですので、きちんと準備ができていないレースのときは、「雨が降らないかなー」と空を見上げることもしばしばです。

レースの準備としては、以下のような流れで行います。
(1)いくらまでお金をつぎ込めるのか?
(2)どんなコースなのか、コースの特性は?
(3)レギュレーション(車両規則)は?改造は可能なのか?
等を検討しながら、
(4)車を作り上げます。
そして
(5)レースの前にはコースに行ってテスト走行を行い、不都合を洗い出し、
(6)日程とお金の許す限り練習走行を行い、
(7)当日の予選(タイムトライアル)に臨み、
最終的に(予選落ちしなければ)決勝レースに臨むのです。

テスト走行も練習走行も、やればやるほど不都合が減り経験値が増していくのですが、同時に時間も喰いますし、エンジンやタイヤも消耗していきます。当然、予算も喰いつぶしていきますので、アマチュアクラスの参加者には両刃の剣です。

こうしてかなり長い準備を経て、やっと決勝レースです。
要は決勝レースは、準備した内容の総決算であり、学校の試験でいうともはや「答え合わせの段階」といっても過言ではありません。
モータースポーツは、自動車というハードウェアとそれに乗るドライバーというソフトウェアとの整合性を時間を掛けて検証していくスポーツなのです。

ここまで読んでいただいて、普段の業務にも通ずるところがあると感じられた方もおられると思います。
そうなんです。総じてシステムのプロジェクトを進めていくことと実は似ているんです。
(1)~(3)あたりは要件定義や基本設計、(4)は詳細設計や開発、実装、(5)~(7)はテストや検証にあたります。
そう考えていくと、IFRSの適用もシステム抜きには考えらないという点で一種のレースかも知れません。
IFRSの適用が徐々に近づいてきている現在の状況において、お客様は既に準備の段階に入っていると思われます。スタートラインは、少し先かも知れませんが確実に近づいてきています。勝敗を決めるための90%がもう始まっています。

お客様が安心してスターティンググリッドに並べるように、我々がお手伝いさせていただきますので是非ともピットにお呼び下さい。

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