2010.02.09

第92回 (A) 経理パーソンは企業の気象予報士?【IT・情報システム支援】

商品開発ユニット 第一開発統括グループ長 公認会計士 中山 立

「数字が前面に出ている時点でこの案はNGです!」
これは、DivaSystemで作成した会計情報を意志決定(*)の基礎情報として、グループ内の多くの方々に提供して行きたいというご要件に対応すべく、レポートのサンプルをご提案した際にお客様から頂いた言葉です。

•想定している利用者の中には、会計数値に強い人もいれば、そうでない人もいる。
•多忙で会計数値に含まれた情報を読み取ることに多くの時間を割けない人もいる。
•このような中、多くの人に意志決定の基礎情報として活用してもらうためには、そのための工夫が必要である。
という趣旨でのご発言だったのですが、会計情報は企業活動の成果を数値という共通言語を用いて表現したものであり、これを忠実に示すことが当たり前であると安易に考えていた私にとっては衝撃の一言であるとともに、目からウロコが落ちる思いでした。
(*)一般的には「意思決定」という表現を用いる場合が多いようですが、弊社では「志(こころざし)」を重視し、「意志決定」という表現を利用しています。

この一連の議論の中でひとつの比喩として天気予報があがりました。
天気の予報にあたっては、気圧、風速・風向き、温度などの複雑な多数のデータが利用されていると推察しますが、これらをそのまま提示されても、一部の専門家やマニア以外にはなんのことやらさっぱり理解できません。
これを気象予報士が「晴れ」「雨のち曇」といった分かりやすい定性情報へと編集し、そこに「降水確率」といった分かりやすい表現に変更した数値情報を添えて提示してくれることにより、なんら専門性を持たない私のような人間でも「今日は傘を持って出掛けよう!」という意志決定を瞬時に行うことが可能となるのです。

会計情報も同様に、利用者によっては「理解の困難な数値の羅列」と感じるかもしれません。
誰でも、会計情報を「意志決定のための有用な情報」として活用できるようにするためには、やはり分かりやすく表現を変更することが求められるのだと考えます。
表現の変更方法としては、取捨選択、サマライズ、指標化、グラフ化、ダッシュボード化など、さまざまな方法がありますが、これについては、天気予報が主婦向けだと天気と湿度、サーファー向けだと波の高さを重視したものが適切であるように、情報利用者とその目的を考慮して最も適切なものを選択することが重要でしょう。

実際、冒頭のお話を頂いたお客様では、経営層向けの決算報告資料において、「情報は利用する側のニーズが異なれば、伝えるべき内容や伝え方も変わる」との考えに基づき、多忙な経営層の方々に短い時間でグループの状況が伝えられるよう、「どの数値を選択して、どのような形で表現するか?」はもちろん、「このグラフは暖色系の色を使うと状況が伝わりやすいのでは?」といった細部にわたるまで、短時間で伝わりやすくするための工夫をされていました。

このような活動を拝見して、経理部門の方々は「制度で求められる決算・開示を行う」という重要な役割の他にも、「複雑な会計情報を分かりやすく表現し、意志決定に有用な情報を提供する」という、いわば『企業の気象予報士』と言えるような役割も担われているのだと感じました。
ただし、天気予報がこれに基づいた意志決定が将来の天気に対してなんら影響を及ぼさないのと異なり、会計情報に基づいた意志決定は将来の財務状態に影響を及ぼす可能性があります。会計情報の提供にあたっては、この性質を認識した上で、それを「正しく」用いることが必要であり、この点、気象予報士とは異なる側面での難易度や重要性を持った役割であると言えるのではないでしょうか。

経理部門の皆様におかれましては、度重なる制度改正や早期化要求の高まりなど、制度で求められる決算・開示を行うだけでも負担は増大し続ける一方で、このような重要な役割に対する期待も以前と比べて格段と高まっているのではないかと思います。
このような状況を踏まえ、弊社では従来の「連結決算業務の効率化によって、このような役割に配分する時間を創出する」かたちでの支援に加えて、「意志決定のための情報提供」を直接支援するソリューションの提供も開始しました。
すでに日常に溶け込んでいる天気予報のように、このソリューションによって多くの企業の多くの方々が有用な情報を得て適切な意志決定ができるよう―まさに弊社がミッションとして掲げる「経営情報の大衆化」を推進できるよう、引き続き尽力してまいります。

 

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