2010.04.06

第96回 (A) すべてのソフトウェアが「無料」に?「フリー」ビジネスモデルとは?【経営・会計最前線】

ネスソリューションユニット 第1グループ長 山崎 恒

『フリー ~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』という本が話題になっているようです。「フリー」モデル(消費者/顧客が無料で商品・サービスを得られるようなビジネスの仕組み)について、これらのビジネスが成立する理由を、本書は多くの例を挙げ、体系化しています。

幼い頃、映画を見たりレコードを買ったりするにはお金を払う必要があるのに、テレビを見るのにはお金がかからないことを不思議に思った記憶があります。また街角で配られるポケットティッシュやゼロ円携帯など身近な多くの例を出すまでもなく、商品やサービスを無料で提供し、別の形で収益を得ようとするビジネスモデルは従来から多く存在していました。
さらにITの世界では技術進歩によって、利用者側からみればほとんどのサービスが無料で提供されているGoogleをはじめとした典型的なビジネスモデルの成功例が多く発生したこともあり、「フリー」モデルが話題になっているのだと思います。
「フリー」モデルから利益を得るのは難しく、多くの失敗例もあるようですが、書籍の電子化への対応を行われている出版業界のみならず、業務アプリケーションの提供を中心にビジネスを展開している当社をはじめ、特にIT業界においては、「フリー」モデルの台頭は無視できない流れであり、本書は「フリー」モデルとの関わりや将来のビジネスモデルを検討するきっかけとなりました。

テレビの視聴は、広告を打っている企業の広告費が製品・サービス価格に反映されていることから、厳密には無料ではなく、同様にほとんどの「フリー」モデルは、「誰か」が「別のところ(モノ・サービス・場所・タイミング等)」でお金を払っているのが事実です。
また、情報処理能力、通信帯域幅、記憶容量のコストが年々低下し、安すぎて気にならないレベルまで来ていることを利用した「フリーミアムを使った新しいビジネスモデル」(95%を無料(フリー)で提供して5%の人にプレミアム版を買ってもらう)についても、最終的には5%の有料ユーザーからの収入に頼っているのが実情となっています。
このように、商品やサービスの購入者・利用者にとって「無料」という響きは非常に魅力的である一方で、ビジネスである以上、「全て」の商品・サービスを「同時に(同期間)」無料にすることはできないのが、ジレンマでもあり、面白いところでもあると思います。

以上、ビジネスモデルの検討という点においては、非常に興味深く、参考になる「フリー」モデルですが、本質的には複雑化したビジネスモデルのひとつであり、モノづくりやサービス提供の現場においては変わるところはないという点を改めて感じています。顧客に提供するモノやサービスは例えそれが無償であっても、それが顧客の求めるニーズに合致したものでない限り、当然どんなビジネスモデルも成り立たないのです。

ところで、当社においても、連結会計システム「DivaSystem」のユーザーを対象に、開示情報の検索サービス「開示Net」と、法令検索サービスの「eRules」の一部を「無償提供」する対応を実施しています。(*1)
上述の通り、無償であってもお客様の求めるニーズに合致したものでない限り、ご提供する意味はありませんので、ご利用頂いたお客様からの様々なご意見・ご感想を参考として、当サービスについても日々改善を行っていきたいと考えています。
尚、非ユーザーの方向けには10日間の無料トライアル利用が可能となっておりますので、これを機に当社の各種商品・サービスにご興味を持っていただけたら幸いです。

(*1)「開示Net」は、開示事例検索、財務数値分析など企業情報のデータベース、「eRules」は最新の法令を容易に検索することが可能なデータベースとして、公認会計士、開示業務ご担当者、企画・アナリスト業務ご担当者など幅広いユーザーにご利用いただいております。「eRules」では、企業独自コンテンツの収録も可能であり、グループ企業の経理方針共有データベースとして、法令およびグループ経理方針の一気通貫の検索に活用することもできます。

 

MAIL MAGAZINE

メールマガジン

NEWS

ニュース

SEMINAR / EVENT

セミナー / イベント

セミナー/イベント一覧を見る

お問い合わせ