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2018年11月28日

株式会社ディーバ

第316回 Moshi Nihongo ni Kanji ga Nakattara?

取締役 岩佐 泰次

先日日本で働くイギリス人と話していると、「日本語に漢字がなかったらもっと日本語話せるんだけど…」と力説していました。確かにアルファベット26字の英語からすれば、常用漢字だけで2136字ある日本語は信じられないハードルの高さかもしれません。この話は決してあり得ない話ではなく、戦後の日本においてGHQ主導で漢字を廃止してすべてローマ字表記にする方向で検討が進んでいたという事実があり、その是非は別として可能性がなかった(ない)わけではないのかもしれません。

最近の外国人労働者受入拡大の議論の中でも日本語は重要な論点の1つになっています。日本語レベルが高いほど在留資格の条件がよくなったり、期間を延長できたり、現実的な違いを生みます。なお日本語を習得する場合、いきなり漢字かな交じりの日本語を学ぶのではなく、まずはローマ字で学習をはじめ徐々に漢字かな交じりの日本語に移行していくアプローチをとるケースも多いようで、先ほどのイギリス人もそうしてきたようです。そんな話を聞くと、仮に日本語に漢字がなかったら、今の外国人労働者拡大の論点はどのようになっているだろうか、そもそも日本の人口構成や国を跨いだ人の移動にも影響を与えただろうか、など思考を巡らせていました。

少し話はそれますが、以下のチャート①は、平成に入って以降の日本の総人口、海外在留邦人(3か月未満の滞在は除く)、外国人労働者の推移を示しています。外国人労働者の割合が人口の1%を超えている事実は最近の報道等でよく見る事実ですが、逆に海外在留邦人、つまり日本から海外という人の動きについても2014年段階で人口の1%を超えている点も個人的には大きな驚きではあります。この増加の主たる要因は民間企業の海外シフト、海外拠点数の増加が牽引しているようです。参考までにチャート②は、日本企業の海外拠点数の推移(外務省が統計を取り始めた2005年以降)です。つまりこの30年間、日本の総人口はほぼ横ばいの中、民間企業が主導する形で人口の約1%、生産年齢人口(15歳から64歳までの人口)に対する比率でいうとその倍近い割合がダイナミックに動いているということです。

チャート①

(外務省及び厚生労働省の公表資料より筆者作成)

チャート②

(外務省の公表資料より筆者作成)

我々のビジネスも、創業以来、連結決算・グローバル管理会計など、連結・グループ・グローバルにフォーカスし、お客様と様々なプロジェクトを進めていますが、やはり一番重い課題はお客様の海外シフト、海外拠点に起因したものであることが圧倒的に多く、上記統計と同じく、この状況はますます大きな課題になってくると考えます。このあたりは12月10日に大阪で開催される「ディーバ西日本カンファレンス2018」でも触れてみたいと思っています。
https://www.diva.co.jp/news/event/20181210_osaka/

告知のために少し話はそれましたが、日本企業の海外シフトや外国人労働者の受入れなど、“人”がグローバルで大きく動き始めているという状況に対して、コミュニケーションの基礎となる“言語”、特に日本企業・日本人にとっては重要な問題だと思います。電報や郵便しかなかった時代にインターネットが登場することで世界が大きく動いたように、人工知能が自然言語を扱える時代に世界はどう変わっていくのか、経理財務や経営企画といった仕事はどう変わっていくのか、楽しみや不安が入り混じる今の状況をしっかりと満喫したいと思っています。