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2019年02月06日

株式会社ディーバ

第320回 (A) 困難を前に、笑い、目を輝かせる人たち

取締役 カスタマーエンゲージメント本部 本部長 寺島 鉄兵

皆さまの周りに危機や困難に強い方はいらっしゃいますか?

また、皆さま自身は危機や困難に強い方でしょうか?

 

「彼らは困難を前にするとたいてい笑う。

そして目を輝かせる。」

 

これは、作家のいとうせいこう氏が、国境なき医師団に同行し、取材した記録をまとめて出版した『「国境なき医師団」を見に行く』(講談社)の一節です。

「国境なき医師団(MSF)」は、1971年にフランス人医師、ジャーナリスト達で設立された、非政府組織です。

自然災害や紛争の被害者、その他様々な理由で保健医療サービスを受けられない人々を支援している、世界中に約4万5000人のスタッフを擁する国際的な団体です。

当然ながら、活動内容は危険を伴います。

記憶に新しいところでは、2015年にアフガニスタンのクンドゥーズ病院爆撃事件により、MSFのスタッフの勤務する病院が爆撃され、多数の死傷者を生み出すという痛ましい事件もありました。

そのような環境のため、医療に従事するMSFのスタッフには、常に新たな困難が現れます。

そのような中、彼らはなぜ、笑い、目を輝かせるのでしょうか?

 

冒頭のご質問に戻りますが、私がこれまで仕事でご一緒した方の中で、

困難を前にして、笑い、目を輝かせる方々が確かにいました。

ともすれば、不謹慎にも見えかねないふるまいです。

一方でそのような方々は、高い確率で目の前の困難を突破していきました。

 

例えば、自身の経営する会社の、倒産にもつながりかねない経営危機を目の前にした際に、

その心中は極限状態であるはずにもかかわらず、笑い、目を輝かせる経営者の方々がいらっしゃいました。

はじめは、そのような方々は、持って生まれたポジティブな思考の持ち主なのだと思っていました。

しかしながら、付き合いが長くなり、そのような方々の歴史を聞くにつれ、必ずしもそうではないことがわかってきます。

 

皆さん、経験の幅がとても広いのです。

 

経験の幅が広いため、想像力がたくましく、その想像力が困難に打ち勝つ姿をイメージさせ、

そして、行動するバイタリティに火をつけるために、無意識に、あるいは意識的に、笑い、目を輝かせるのだと気づきました。

 

『「国境なき医師団」を見に行く』では、前述の文章に、こう続きます。

 

「そうやって壁を乗り越えるしかないことを、彼らは世界のどん底を見て知っているのだ」

 

MSFスタッフの体験する“世界のどん底”は、とても想像には及びません。

しかしながら、この一文に表されている、究極まで研ぎ澄まされたこのような感覚を、

きっと“覚悟”と呼ぶのでしょう。

それは、私が出会ってきた困難を乗り越える方々との思い出とも、確かにオーバーラップします。

皆さまも、このような“覚悟”の境地に少しでも近づいてみたくはないでしょうか?

そのためには、プライベートでも仕事でも、常につきまとう困難に、逃げずに、めげずに、突破していくことの大切さと、

そしてそれは、生まれながらに備わった性格だけに左右されるものではないことを、この本や、見習うべき方々は教えてくれているのです。