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2019年10月30日

株式会社ディーバ

第338回 (A) 海外の理系学生を日本の本社にダイレクト採用してみた

事業統括本部 マーケティング&インキュベーション室長 田中 智之

2016年6月に経済産業省から発行されたレポートによると、「マクロな規模でのIT人材(IT 企業及びユーザ企業情報システム部門に所属する人材)は、現在の人材数は約 90 万人、不足数は約 17 万人と推計された。今後2019年をピークに人材供給は減少傾向となり、より一層不足数が拡大する」そうです。経済産業省 2016年6月10日付 プレスリリース「IT 人材の最新動向と将来推計に関する調査結果を取りまとめました」より抜粋)

レポートから3年後の2019年現在、更に人材不足が加速する未来を想像すると恐怖しかありませんが、その恐怖を和らげてくれる施策として、当社では2017年から海外の理系学生をダイレクト採用する取り組みを進めています。

同様の取り組みをしている日本企業が既に浸透していたり、日本以上に採用競争が激化している国・地域もあったりするため、①日本企業による採用が少ない ②採用競争が激しすぎない ③招聘手続がシンプル、という観点から、東南アジアをターゲットにして採用活動を始めました。

知人に紹介された訪問先が理系ではなく文系の学部だったり、片道3時間かけて大学に行ったら当日が卒業式で学生に一人も会えなかったり、同行していた社員がデング熱に罹患したりと、小さなトラブルは多々ありますが、3年間で計10人の海外理系新卒を採用できました。

現地にも日本企業向けの採用支援サービスはそれなりにあるのですが、企業の担当者がダイレクト採用するケースはあまり無いらしく、当社のような知名度が低い会社でも十分に目立てます。また、現地における日本企業の存在感や日本発の漫画・アニメ作品等のおかげで、学生が初めから好印象を持っている点も大きなアドバンテージになっています。

同様の経験をお持ちの方にはご理解いただけると思いますが、この手の施策で大変なのは採用活動ではなく職場定着です。日本企業プレミアムのおかげで比較的容易に採用できてしまう一方、言葉の壁や文化の壁、何より就業経験のない人材のケアには相応の労力が必要です。「採用できた!」と喜んでいても、採用した社員が職場に定着しなければ会社にとってのメリットはなく、日本企業プレミアムも毀損し、何より採用した学生とその家族に申し訳が立ちません。

試行錯誤の結果、入社後一定期間は当部に所属して、日々の悩みやキャリアプランや日本での生活に関する相談などを引き受けつつ、実際の業務は他部署で進んでいるプロジェクトに参加させてもらう形をとっています。

簡単な仕事から始め、徐々に難しい仕事に対応していくわけですが、一定期間の経験を重ねると他部署から「○○君はいつまであなたの部署にいるのか?彼さえ良ければ今後は自分のチームで引き受けたい」という誘いをもらいます。

そういう評価を貰うくらいなので、本人も満更ではなく、「△△さんと一緒に仕事ができるなら、面白そう」ということで、一緒に仕事をしたうえで相思相愛になってから、当該職場へ正式に配属する形をとっています(「卒業する」という言葉を使い、異動の際は卒業証書を授与しています。)

“入社直後の就活再開が急増”というニュースが出てしまう昨今ですが、東南アジアから来た10名は、現時点で1人も退職せずに当社で勤務してくれています。また、こんな過程を経て今年の6月に当部門を卒業した2年前の新入社員が、今ではお客様先を訪問し、自分で作った提案書を日本語で提案するまでに成長したようです。

皆様が抱える人材不足の課題解決にそのまま適用できる施策ではないかもしれませんが、もし詳しい話にご興味ありましたら、普段接している弊社担当者までお気軽にお申し付けください。日頃のご愛顧のお返しとして、僅かながらもお役に立てればと存じます。